『オンボーディング教育』はスタートダッシュの鍵!?現代の新人教育の常識
価値観が多様化している現代、「採用した新人がすぐに辞めてしまう」「丁寧な研修を行っても優秀な人材に育たない」といった悩みを持つ企業も多いのでは?
現在の新人教育は、多様な価値観やさまざまな働き方に対応するために、従来のOJTや研修に加えて『オンボーディング』などを取り入れることも多くなってきています。
今回は入社後、すぐにチームメンバーとして活躍できる人材へ急成長させる新人教育のポイントや進め方を採用・人事担当者向けに解説します。
目次
新人教育の新常識!?『オンボーディング』とは
オンボーディングとは、企業のミッションやビジョン、社内の組織や価値観、社内制度や評価制度等の情報を新人に提供し『組織と働くメンバーの価値観や前提を共有するための支援活動』です。新人教育の手段の一つとして、日本でも取り入れる企業が増えつつあります。
新人研修が入社直後の基本的な内容に留まることが多いのに対し、オンボーディングは配属後も含めた継続的な人材育成であることが特徴です。そのため新卒・中途採用の社員や特定の教育担当者だけでなく、広範囲の社員がオンボーディングに関わる場合があります。
確かに「即戦力化を早める」といった効果は同じですが、本来の意味でのオンボーディングは、もっと広義の意味を持っています。仕事のやり方やノウハウを教えるだけでなく、新人が組織の一員として自分の力を発揮できるよう支援するのが本来のオンボーディングの在り方です。
そのため、研修だけでなく、社内SNSや社内イベントなどを活用したり、部署をまたがった広範囲のメンバーがオンボーディングに関わったりすることも珍しくありません。
オンボーディングのメリット
主にメリットは下記3つになります。
・新入社員の成長スピードを上げる
新入社員は組織のルールや職場のシステムなど、知るべきことが多くあります。また、人間関係や社風など、適応しなければならないことも少なくありません。オンボーディングは組織への順応をスムーズにするために新入社員をサポートする目的があります。
・離職率の低下
早期離職の原因は、仕事内容や人間関係のミスマッチが多くの割合を占めています。しかし、実は業務の目的ややりがいを十分に知らなかったことや、職場の人間とのコミュニケーションが不足していただけというケースが少なくありません。
オンボーディングには、新入社員に目標を与えてモチベーションを高めたり、面談やミーティングなどの場を設けたりすることで、理想と現実のギャップを調整する目的もあります。
・部署による教育格差を生じさせないため
トレーナーや部署の違いによる人材育成のバラツキ、格差がなるべく生じないようにするのもオンボーディングの大切な目的です。
OJTや実習にはトレーナーの能力や資質が大きく関係するため、人事部が体系立ったオンボーディングを行うことも重要です。コンプライアンスや企業倫理などの全社員向けの教育は、外部研修機関に任せる方法もあります。
[オンボーディングの例]
A社の例
主体的に企業経営に関わっていくために、どのようなリーダーシップを発揮したいのか表明する「宣言シート」の導入や、新入社員や教育メンバー全員が自由に会話できるチャットルームの開設をした。
また部署の垣根を取り払う文化を作ることにより、担当者だけでなく、企業全体で新入社員を育てる本来の社風が発揮されるようになった。
B社の例
自主的に企業に貢献したいと考える社員のエンゲージメントの向上の為、オンボーディングを導入。
新卒採用者・中途採用者が一同に集まり、軽視されがちな経営理念や組織形態、ルールなどの基礎研修を十分に行った。また、教育担当者の負担を軽減しながら充実したフォローを行うために「コーディネーター」「マネージャー」という専任のスタッフを配置した。結果として、社員エンゲージメント率85%という非常に高い成果を上げられた。
C社の例
コロナ禍で全面的なテレワーク体制に移行。それに伴い、オンボーディングもオンラインで実施した。
zoomのブレイクアウトルーム機能で部署ごとに分かれて、午前は音声を繋ぎながら、個々の業務を遂行する時間に。午後からは業務の進捗状況を確認し、最後に日報を書いて、チームメンバーと口頭で共有し合う。
常に音声は繋がっているので、孤独感を感じず業務に臨める他、質問の際には気軽に声を掛け合う風土に。たまにお菓子をつまみながら、その感想を共有したり、ラフな時間が流れるようにしている。
いまでは「リモートランチ」「リモート歓迎会」などのイベントを増やし、コミュニケーションの促進に重点を置いた施策を進めている。
オンボーディング実施の5つのポイント
ここでは、オンボーディング実施のポイントを、具体的な施策も挙げながら解説していきます。
①人事部が信頼関係の土台を作っておく
株式会社リクルートキャリアによると、早期に優秀な人材として活躍し始める人のうち約8割が、入社前に人事担当者と十分なコミュニケーションを取っていた経緯があるとのことです。
新入社員が疑問・不安に思っている企業情報をオープンにすることで信頼関係を得ていることが、その後の成長によい影響を与えています。入社前の人事担当者とのコミュニケーションは、将来に大きな影響を与えるオンボーディングの一部です。
②教育体制を充実させる
教育制度を充実させ、オンボーディングの体制を整えることが大切です。たとえば近年急速に普及しているテレワークでのオンボーディングを実施するなら、WEB会議システムやビジネスチャットツールなどの導入が必要です。入社研修の内容を自社向けにブラッシュアップする、オンラインによる外部研修を積極的に利用するといった方法も有効です。
③スモールステップ法を取り入れる
スモールステップ法とは、目標を細かく設定しながら最終的な目標達成を目指す教育手法です。学生の教育現場や子育てに使われる手法ですが、オンボーディングでも有効です。
入社まもない新入社員にとって、成果が出るまでに長い時間を要するものはストレスがかかりやすく、目標を見失ってしまう傾向があります。オンボーディングにおいてはスモールステップ法を取り入れることも検討しましょう。
④メンター制度導入を検討する
メンター制度とは、年齢や階級が離れていない新入社員に近い立場の社員がサポート役になる制度です。似た制度であるOJT制度との違いは、人間関係についての悩みなど、業務以外の領域まで含めてフォローを行うことです。
多くの企業では、職場環境や業務に慣れやすくすることで早期離職を予防し、成長スピードを速めるために、オンボーディングの補助制度として導入しています。
⑤トレーナーを育成する
メンター役の先輩社員やOJT担当者の育成スキルは、オンボーディングの成果を大きく左右します。トレーナー育成には外部機関を活用してプロに教わることが有効です。
特にテレワークによるオンボーディングなどで自社の経験が乏しいケースでは、外部機関のノウハウを取り入れることが欠かせません。テレワーク導入に必要なきめ細やかなフォロー、1on1ミーティングの重要性や具体的な方法などを短期間で効率的に習得できます。
オンボーディング後のフォロー
オンボーディングが終了すれば新人教育が完了するわけではありません。むしろ新人が他の社員と同じように組織の一員として業務に参加するところからが本番といえます。オンボーディングでは上手くいっていた新人がつまずいてしまう可能性もゼロではありません。
オンボーディングをどんな期間で設定するかにもよりますが、とくに新人研修期間の数か月で設定する場合には要注意です。人事からのケア等がなくなるタイミングと本格的なOJTが始まってリアリティショック等が生じるタイミングが重なると、エンゲージメントが低下してしがちです。
従って、オンボーディング後のアフターケアも欠かさず定期的に設定しましょう。精神面や人間関係等のフォロー、キャリアパスに関する面談、成長やキャリア目標の設定などを通じてモチベーションをケアして、前向きに業務に向き合ってもらうことが大切です。
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